資格を取る費用、ひとり親なら補助が出るかもしれません|学び直し支援制度と副業の組み合わせ方
「資格を取れば、仕事の選択肢が広がる」。それは分かっていても、受講料が10万円、20万円と聞いた時点で現実味がなくなる。時間もお金も限られているシングルマザーにとって、学び直しは「考えるだけで終わる話」になりがちです。
ただ、ひとり親世帯には資格取得のための公的な支援制度が用意されています。あまり知られていないのは、「受講料を補助する制度」と「通学中の生活費を支援する制度」の2つがあること。そして、どちらにも共通する落とし穴があることです。
この記事では、2つの制度の中身と気をつけたい点を整理したうえで、学び直しの期間に生まれる「収入の谷」をどう埋めるかという話まで書きます。
ひとり親の学び直し支援は、大きく2つ
① 自立支援教育訓練給付金(受講料の補助)
対象の講座を修了すると、受講料の原則60%が後から支給される制度です。上限は講座の種類で変わります。目黒区の案内では、一般・特定一般教育訓練の指定講座なら20万円、専門実践教育訓練の指定講座なら年間40万円・最大4年間とされています。支給額が1万2千1円に届かない場合は対象外という下限もあります。
対象になるのは、雇用保険の教育訓練給付制度の指定講座です。医療事務、介護職員初任者研修、簿記、IT・Web系など幅広くありますが、「指定講座かどうか」が条件なので、気になる講座は名前で厚生労働省の検索ページから確認するのが確実です。なお、雇用保険の教育訓練給付金を受け取った場合は、その差額が支給される形になります。
② 高等職業訓練促進給付金(通学中の生活費の支援)
こちらは、看護師・准看護師・保育士・介護福祉士のように、養成機関に通う必要がある資格のための制度です。こども家庭庁の案内では、訓練期間中は月額10万円(住民税課税世帯は月額70,500円)、訓練期間の最後の1年間はさらに4万円増額、訓練修了後に5万円(課税世帯は25,000円)が支給されるとされています。
条件は、訓練開始日以降ひとり親であること、児童扶養手当を受給しているか同等の所得水準にあること(子ども1人の場合は年収385万円未満が例として挙げられています)、養成機関で6か月以上のカリキュラムを修業して対象資格の取得が見込まれること、そして仕事または育児と修業の両立が困難と認められること、です。
💡 小技:パンフレットより先に、窓口へ電話 自立支援教育訓練給付金は、受講を開始してからでは申請できません。目黒区の案内では、審査があるため講座申し込みの1か月前までに相談を、と書かれています。資料を集めるより先に、まず窓口に「この講座は対象になりますか」と聞く。順番を逆にすると、受講料がまるごと自己負担になります。
正直に書いておきたい、制度の弱いところ
使える制度ではありますが、万能ではありません。
まず、途中で講座をやめた場合は支給されません。受講中にひとり親家庭でなくなった場合も対象外になります。つまり「とりあえず申し込んで、合わなければやめる」が通用しにくい制度です。
また、原則として過去に訓練給付金を受給していないことが条件になっています。「一度しか使えないカード」として、どの資格に使うかを考える必要があります。
高等職業訓練促進給付金のほうは、月額10万円(または70,500円)が家計の全部を支えられる額かというと、家賃と子どもの費用を考えれば足りない家庭が多いはずです。通学で働ける時間が減るぶん、収入は一時的に下がります。制度は「通学中の生活をゼロから支える」ものではなく、「下がった分の一部を埋める」ものと考えたほうが現実的です。
💡 小技:窓口に行く前に、メモは3つだけ 聞くことを決めておくと、1回の相談で済みます。①取りたい資格名(複数あってもOK)②いま働いている時間と、通学に使える時間 ③家計の毎月の不足額。この3つがあれば、窓口側も「その資格ならこちらの制度」と具体的に答えやすくなります。制度名を覚えていく必要はありません。
学び直しの期間に生まれる「収入の谷」
制度を調べていて一番つまずくのは、金額の計算ではなく「通っている間、暮らしが回るのか」という不安だと思います。
2年の養成機関に通うなら、2年間は働ける時間が減ります。月10万円の給付があっても、それまでパートで月12万円稼いでいたなら、手元に入るお金は横ばい、場合によっては減ります。しかも学費や交通費、子どもを預ける費用が増える時期です。
ここで現実的な選択肢になるのが、「時間に縛られない収入を、少しだけ足しておく」という考え方です。学び直し中はシフトを増やす方向の対策が取れません。だからこそ、通学や勉強の合間でも動かせる収入源を、小さくでも持っておくと谷が浅くなります。
💡 小技:学び直し中の副業は「週の総時間」で決める 通学が始まると、1日単位の計画はまず崩れます。「毎日30分」ではなく「週に合計2時間まで」と上限で決めるほうが続きます。上限で決めると、できた週は気がラクで、できなかった週も罪悪感が出ません。学業と副業のどちらを優先するかも、先に決めておくと迷わずに済みます。
選択肢の一つとしてのLiveGood(できること・できないこと)
このサイトで扱っているLiveGoodは、健康関連の商品を会員価格で買いながら、紹介を通じて報酬を受け取れる仕組みのアメリカの会社です。在庫を持つ必要がなく、オンラインだけで進められるので、通学中でも手を動かせる形ではあります。
ただ、先に書いておくことがいくつかあります。会員として参加するには初期費用と月額費用がかかります。申込サイトや管理画面は基本的に英語です。報酬はドル建てで、為替によって手元の金額が変わります。そして、収入が出るかどうかは人によって大きく違い、始めれば必ず稼げるものではありません。何か月も報酬がゼロのまま費用だけ払い続ける人もいます。
学び直し中に始めるなら、「月にいくらまでなら出せるか」「いつまで試すか」を先に決めてからのほうが安全です。資格取得が主目的の期間に、副業の費用で家計を圧迫してしまうのは本末転倒なので。
制度と副業を組み合わせるときに気をつけること
副業の収入が出てきたら、制度との関係も一度確認しておきたいところです。
高等職業訓練促進給付金には「児童扶養手当を受給しているか、同等の所得水準にある」という条件があります。副業の収入が増えると、この所得水準の判定に影響する可能性があります(こども家庭庁の案内では、所得水準を超えた場合も1年間に限り引き続き対象になるとされています)。児童扶養手当そのものの所得制限も、同じように確認が必要です。
また、副業の所得が一定額を超えれば確定申告が必要になります。給付金を受けている年は、収入と費用の記録をいつもより丁寧に残しておくと、あとの手続きが短く済みます。
💡 小技:給付金の書類と副業の記録は、同じ場所に 給付金の申請書類、受講の領収書、副業の費用と入金の記録。これを同じフォルダ(スマホなら同じアルバム)にまとめておくだけで、年末の作業がかなり軽くなります。制度の手続きでも副業の確定申告でも、見る書類は結局重なります。
まとめ:順番は「窓口 → 計画 → 副業」
学び直しを考えるときは、窓口への相談が先です。受講を始めてからでは申請できない制度があるからです。相談で使える制度と金額の見込みが分かったら、通学中に足りない金額を計算する。その不足分をどう埋めるかを考える段階で、はじめて副業の話が出てきます。
逆の順番——先に副業を始めて、お金が増えたら学校に行こう——でうまくいく人もいますが、時間の余裕のほうが先に尽きやすいです。制度のほうが確実性が高いので、先に押さえておくほうが得だと思います。
なお、この記事の金額や条件は、こども家庭庁と自治体(目黒区)が公開している情報をもとにしています。運用の細かい部分や上限額は自治体によって異なることがあり、年度で変わることもあります。実際に申請するときは、必ずお住まいの自治体のひとり親支援・子育て支援の担当窓口で、税金のことは税務署で確認してください。
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